「あぁ、そういうことってあるよね」
最近、聞いてすごく心に染み渡った言葉です。
別に、真新しい言葉でもなんでもないですよね。
誰でも聞いたこともあるし、言ったこともある言葉でしょう。
しかし、私は、この言葉のパワーに最近気づきました。
どういう文脈で使うと力があるのでしょうか?
たとえば、学校の先生がイライラしてしまって、つい生徒に当たってしまう。
たとえば、会社でとても大変なことがあって、家に帰ってきてから、つい、奥さんに不機嫌な態度をとってしまう。
そういうことを、後から悔いている人がいたとします。
そして、コーチングでそれをテーマにした場合。
目標を確認して、現状を聞いて、ギャップを埋めるべく今後の行動を決めていく。
こういうコーチングが多いでしょう。コーチングってそういうものかもしれません。
しかし、そのステップに入る前に、クライアントとコーチとの間にラポールが築けていることが前提になります。
このラポールを築くべきステップで、クライアントの悩み・現状を聞いたときに、コーチはそのまま・ありのままのクライアントを受け入れることが出来るか。
同意するのとは違います。必ずしも同意する必要はないでしょう。
そして、このときに、コーチが心の中で、「こうすればいいのに」「こうすべきだ」と判断していたらどうでしょうか?
言葉に出てこなくても、ノンバーバルでクライアントには伝わります。
この瞬間にラポールは切れます。
そうではなく、
そういう時に、コーチは心の底から
「あぁ、そういうことってあるよね」
「人間だから完璧なんてありえないんだから、まぁ、そういうこともありますよね」
という態度で、そして言葉で伝えられたら、クライアントは安心するのではないでしょうか?
斎藤一人さんが紹介している言葉にも、
「そうだよね、わかるよ」
と言うものがあります。
「そういうことがあっても当たり前だよね。」
「つい、良くないと思っていてもやってしまうこともあるよね。」
そういう時に過度に自分を責めたりしない。そして、周りも過度に責めない。
仮に周りに責められたとしても、コーチはどこまでもクライアントの味方である。
別に自分の基準を下げるわけではないけれど、
「そうそう、あるある」
という気持ち。
NLPには、人間の意識レベルとしてニューロロジカルレベルと言うものがあり、上位から
・アイデンティティ
・信念・価値観
・能力
・行動
・環境
の5レベルがありますが、多くの場合、このレベルのうち下から二番目の行動レベルでの問題に過ぎません。
行動レベルの過ちに過ぎないのに、「私はダメだ」と、アイデンティティレベルで自分を否定する必要はありません。
そして、周りの人にも、アイデンティティレベルで否定する権利もありません。
しかし、私たちは、つい
「あぁ、あの人はそういう人だ」
「あの人は、人間としてだめだ」
などとアイデンティティレベルで否定してしまいます。
ただ、このニューロロジカルレベルを知らないから、それに該当する言葉の使い方を知らないから。
このニューロロジカルレベルを知ったら、人にかける言葉はどう変わりますか?
そして、相手がちょっと間違った行動をとったとしても、人間は完璧なんてありえないので、
「あぁ、そういうことってあるよね」
という態度で、そして言葉で接したら、あなたの人間関係は、
今後、数日、数ヶ月、数年、数十年、そして、人生の終焉を迎えるときに、どのように変わっていくでしょうか?
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